ラルクド物語 〜守りたいもの〜

ラルクド物語
「ラルクド物語~守りたいもの~」
ラルクドシリーズ 作者 : 猫One~
キリト
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魔具は槍。クールに見えるが熱い一面も。
サラ
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サラ・ブライトが創り出したAI。
始祖役を兼ねる。
【物語 スタート】
【キリトの覚悟】
【サラと脳内リンク】
【物語 スタート】
キリト
この空気が揺れる感じは…なんだ…
サラ
「キリト様…
至急この場からの撤退を要請します」
キリト
…サラ、正直に言ってくれ。
この場から、逃げれる可能性の数字など、ゼロに近いよな・・・?
サラ
「…大至急この場からの
撤退を要請致します」
キリト
サラ、ホントにお前はAIとは思えないな?
機械なんて無情だものだと、誰もが思っているだろう、無感情の答えしか導かないものだと。
サラ
「キリト様…!
可能性が0%になる前に
撤退を要請ーーー」
キリト
なぁサラ…、今この瞬間背を向けて逃げ出したとしても。
俺が逃げ切れる可能性は、10%にも満たないだろう。
サラ
「しかし、0%ではない以上
可能性を否定は出来ません」
キリト
それはこのまま迎え撃てば、
死ぬ確率が100%だという事の、裏返しだな。
サラはAIにしておくのは、間違いだな(うっすら微笑む)
サラ
「死ぬ気
なのですか?」
キリト
俺の直感も危険信号は『赤』だ。
今の俺一人で出来る事は、多分時間をほんの少し稼ぐ程度、だろうけどな。
サラ
「・・・可能性を0%にしない為の
試案があります」
キリト
ほう?
サラが自らの意思を発言するとは・・・
サラ
「私は・・・AI。
私でも答えは解り得ない
『感情』という世界を
ガジュルは欲しがっています。
それを逆手に取る事で
キリト様の命を救う事へ繋げられる
可能性があります」
キリト
俺の命を守る事を、サラは最優先に考えているんだな。
サラ
「『守りたいものを、守る。』
キリト様の大切にされている言葉。
守りたいものとは何なのか
私では己の事は分かり得ません。
―――ですが。
私の中でも出せない『答え』
それへと辿り着く道を
模索しろと言われている気がするのです」
キリト
そうか、サラ。
それはきっと、お前を生んだ『サラ・ブライト』が、託した光かも知れない。
サラ
「私のマスターをご存知なのですか?」
キリト
話でしか聞いたことは無いが、誰より人を、命を、愛した人だったと、聞いている。
…そうだなサラ、俺はお前を信じる。
守りたいものを守る為、お前が導く可能性を、俺も受け入れよう。
サラ
「了解致しました。
―――キリト様。
通信を脳内直接リンクに
切り替えてください」
キリト
あぁ分かった。
サラ、俺がもしお前の可能性に応えられなかった時は…
…イーファンの事を、頼む。
サラ
「それはキリト様ご自身で
叶えるものです」
キリト
そうか、そうだな!
先ずは生きて、みんなの所へ戻る!
―――さぁ、行こうか。
サラ
「はい。
ではアクセスを切り替え致しますーーー」
【キリトの覚悟】
キリト
(M)
魔団に入ろうと決めたのは、父と母が願う未来に、強くなければならないと感じた時に決意した。
母からの血を強く受け継いだ俺は、ハーフとしての力が表に強く出た。
逆に父の血を強く継いだ妹は、人に近く穏やかで、皆から愛される存在で。
母はハーフなのを周りには隠したまま、信念を貫き、自分の立場を一人の人間に託した
彼は国王を継承し、母の信念を背負い、尽力を捧げる事を掲げた。
女王ではなくなった後も、人とハーフ、魔の者も、隔たりなく暮らせる国をと願い続けた。
父はそんな母を、一人の男として愛し貫き、母を頼むと微笑みながらこの世を去った。
俺と妹は二人の生き様を見てきたが、俺に理解は出来なかった。
誰かの為に、命を全うする意味、自分以外の為に捧げる生への覚悟。
「―――俺は自分の為に強くなりたい」
自分は何処へ向かうべきなのか…?
生きる居場所を見つける為に、独断で魔族育成所に入り、魔団への道を目指す事を決めた。
そしてそこで俺は、一人では得ることが出来ない強さを知る事になる。
【サラと脳内リンク】
キリト
サラ…こいつが…
サラ
はい、圧倒的な危険数値、間違いありません
キリト
こうやって向き合うだけで…足がすくむ程の威圧感なのに…
こいつは…俺達とほぼ変わらない大きさ…
サラ
急速な進化の過程にて肥大化を超え、更に進化系を取り込むなど、そして人を取り込み「感情」起伏による攻撃力の上昇、全てはこの始祖へ還す為の布石と、考えられます
キリト
コイツは他のガジュルより、比べ物にならない程の知能を兼ね備えてるのか…
サラ
知能レベルだけではなく
存在そのものが
この星では検出したことのない域です
キリト
厄介だな…でも、やるしかない!
行くぞグラスフォルターム! 俺の全てをお前と共に!
サラ
キリト様、お待ちください
始祖から音波数値確認
キリト
―――俺には耳の奥に不快な音しか聞こえない。
音が波打ち、震える不快音だ。
サラ
ベースになるSignal…
樹木が発する類似データを
解析致します
キリト
ダメだ…刺さる音が脳内で木霊する!
サラ
(始祖の音波)
『―――戻りなさい。
―――すべては与えられし物。
―――戻りなさい。
―――可愛い子供たち。
―――根源を無に還す為に。』
キリト
…何を言っている…コイツは…
サラ
(始祖の音波)
『―――使命。
―――正しい命の在り方を。
―――不必要な命を駆逐する。』
キリト
…ふざけるな‼
よそから来たものが、何を偉そうに語っている・・・?
この星は、全ての命は、模索しながらも、生きている。
たとえ時に過ちを犯したとしても、それを改めながら、手を取り合おうとしてる者たちを、お前らが奪う権利などあるわけがない!
サラ
(始祖の音波)
『―――害悪な者たち。
―――この星は再生を願う。
―――進化を明け渡し、滅びよ。』
キリト
サラ…俺はこいつと同じ考え方をしていたのかも知れない。
誰かの為に何かを願う事の無意味さ、己は己の為に強く在りたいと。
でもそれは独りよがりな考えだと、コイツの言葉で再確認した。
俺は一人でここに立っている訳じゃない…
みんなと出会い、感情を分かつ事を知り、それを守りたいと心から今感じている。
―――俺は本当の意味で守れる強さが欲しかったんだ‼
サラ
キリト様
「感情」のリミッターが解除されました。
第三覚醒の兆候がみられます―――
キリト
みんなの為に強くなりたいとか、「カッコつけてんじゃないわよ」ってエマに怒られるだろうが。
それでも俺は、自分の為ではなく、みんなを守る為に…!
―――俺自身を超えてみせる‼
始祖、お前の思い通りにさせないぜ?
ここは通さない、覚悟しろ!
行くぞ!グラスフォルターム!
いかづちをその身に纏え‼
サラ
(始祖の音波)
『―――害虫共。
―――消えるがいい。』
キリト
なんだ、この禍々しい闇は!
サラ
キリト様
一度大きく後ろへ下がり距離をとってください
キリト
光が刃の様に肌を‼
グラスフォルターム!
イーの力をお前に注ぐ!
頼む、弾いてくれ‼
「ブレベリー・アブサーブ・シールドーーー!」
サラ
これ以上の踏み込みは危険です
キリト
くっ‼ なんなんだ、この攻撃は…!
黒い気が集まったと同時に襲い掛かってきて…
グラスフォルタームに、イーの血が新しい技を導いてなければ、今の攻撃で俺は…
サラ
ーーーこれより投薬開始いたします。
キリト
あぁサラ、頼む。
距離を詰めて戦えば、更にさっきの威力が増す、遠距離戦を狙うしかないな
サラ、コイツに弱点はないのか?
サラ
分析実行中・・・分析実行中・・・
キリト
コイツ素早さも兼ねそろえてるな… サラ、まだか⁈
サラ
・・・分析結果。熱に対しての攻撃に耐性が少ないようです
キリト
熱…コイツも生命体ってことだな? サラ、良い答えだ。
生命体としてどちらが道を切り開くのか、やってやろうじゃないか!
グラスフォルターム! 俺は水・雷の属性を得意とするが、コイツはそれじゃ傷を付けれないらしい。
ならば、俺は・・・母から受け継いだお前の本来の属性を開放する。
ーーーインフェルノ・モードリスタート! その力・解き放て‼
サラ
キリト様…槍自体の攻撃力が跳ね上がりましたが、これは…
キリト
俺ではインフェルノは扱い切れないかもしれない。
だが、これが本来この槍のあるべき姿なんだ。
俺が弱すぎたせいで、フォルタームとして扱えるよう、母が仕様を変えてくれていた。
でも俺は、俺を超える!
守りたいものを守る為に‼
インフェルノ!
俺に力を貸し・導け!
「ザ・シャドウ・ブロー・バーンナウトーーー!」
インフェルノ!、そのまま突き刺し、奴をホールドしろ!
サラ
(始祖の音波)
『―――知能。
―――進化。
―――足りぬ事。
―――消える定め。』
キリト
クッソ! 突き刺したはずのインフェルノを…それごと飲み込もうとしてやがる…!
インフェルノ! 更に熱量を上げ、内側から焼き尽くせ!
バーン・イン・ファイヤー!
いっけーーーー、インフェルノ!
焼き尽くせ‼︎
サラ
ーーー熱量が足りていません、攻撃が来ます。
キリト
なんだと⁉︎
炎がみるみる圧縮され、砕け飛ぶと共に、インフェルノを黒い渦が飲み込んでいく。
キリト
―――インフェルノ!
ダメだ、我が手に戻れ‼︎
サラ
(始祖の音波)
『―――鉱物が持つ力。
―――その力ごと。
―――取り込んでやろう』
キリト
インフェルノォーーー‼︎
サラ
キリト様、いけません。攻撃射程内へ踏み込んでいます
キリト
サラ‼︎ 始祖が…始祖がインフェルノを取り込んで…いく…
サラ
距離を、距離を取ってください
キリト
クソがーーーー!
インフェルノ足掻け! 頼むから、我が手に戻れ‼︎
サラ
冷静さを取り戻して下さい、キリト様
キリト
インフェルノ・フォルターム‼︎
サラ
(始祖の音波)
『―――力なき生命よ。
―――滅びよ。』
キリト
くはぁぉぁぁ!
サラ
キリト様!
守りたいものを守る為に、自分が自分を信じなければ、力は解放されません―――
キリト
はっ‼︎ 身体が! 吸い込まれていく!
身動きが取れない‼︎
ぐはっ、肌が…切り裂かれて…いく…
サラ
諦めてはいけません
命あれば、必ず答えに辿り着く…
マスターの言葉です
キリト様、ピースを外し、始祖の放つブラックホールへ投げ込んでください
キリト
…サラ…なにを…言っている…?
サラ
これがキリト様を生かす為の、私が導き出す答え
時間がありません、早くピースを!
切り刻まれながら薄れていく意識の中でピースを外し投げ込むキリト
サラ
このブラックホールを閉じ、始祖の中へ私が入り込んで融合し、意識を逸らせます
その間に意識あるだけ、この場から離れてください
必ず生きて…始祖に…鉄槌を…
(脳内でのサラとのリンクが途絶える)
キリト
サラ…サラぁぁ!
サラまで…取り込まれてしまった…
俺は…何をしている…?
何も守れてないじゃないか…
このまま生きて何になる⁉︎
ならばいっそ―――
サラ
「本当に守りたいものを…守る為に…」
キリト
クソったれが‼︎
俺は弱い! 己を超えるだと⁉︎ 笑わせるな!
惨めさから逃げて、死のうとする俺が何を超えられるというのか!
サラが俺を生かす為に導いた命を…、俺が絶っていいわけないだろ!
走れ! 意識あるまで俺の体よ、走り続けろ!
この不甲斐なさを、この惨めさを…
心に、この身体に、深く焼き付けろ…!
忘れるな…己の弱さを…未熟さを……
サラ…インフェルノ… 必ず……お前達を…取り戻して… みせる……
(意識が切れて倒れるキリト)
サラ
(ナレーション)
始祖を目の前に完膚なきまでに、力の差を見せつけられたキリト。
その命を救うべく自ら始祖の中に取り込まれたサラ。
倒れたキリトの頬には、雫の跡が光り、拳は固く握られていた・・・
諦めない心を、深く深く刻み込む。
ラルクド物語
あなたはこの物語の「オブザーバー」に、なる。
< 終わり >

メンバーメッセージ

NKO-IDで本人認証されたメンバーだけが、登録ニックネームで書き込めます。

みんなのメッセージ

まだメッセージはありません。