Story of the Leiden Ⅱ~根底への光~

Story of the Leiden
4人用台本
ライデン
ライデン役の方はライデンの台詞をタップしてください。
サラ
サラ役の方はサラの台詞をタップしてください。
イシュタル
イシュタル役の方はイシュタルの台詞をタップしてください。
スタンリー
スタンリー役の方はスタンリーの台詞をタップしてください。
【プロローグ】
サラ
「もしも願いが叶うとしたら、 貴方は何を願う?」
ライデン
君が聞いてきたその言葉に、 不可思議さを感じた。 「願うのではなく、 叶える為に生きている。」
サラ
「叶える為に生きている、 そう言えるのは素晴らしいわ。 そんな貴方だから、 私は叶わない願いと分かっていて、 託したくなったのかも知れない。」
ライデン(M)
君は寂しげな光を瞳に宿したまま、 美しく笑った。 その顔を今でも 忘れることが出来ない。 今なら、 あの時とは違う答えを導くだろう。 ―――君が、 ここにいて欲しいと。
【本編 スタート】
スタンリー
素晴らしいじゃないか! 人が導く未来に、 新たな光を照らすこのピースを増やすために、 開発班を招集する事としよう!
サラ
このピースが、 人とアルタイルを結び付けた時、 その未来は、 もっと優しいものに変わるはずよ?
スタンリー
ああ、そうだな! サラが未来を繋ぐ為に 全てを注いだ結晶を、 この樹木の様に 慈しみ育てなければいけない。
サラ
基盤になるベースチップの設計図は データ化して送ってあるわ? 更なる改良を行えるように、 回路接続における軽量化の案を 纏めております。
スタンリー
わかった。 選りすぐりの者達が その意思を受け継ぎ、 完成させることを願おう。 私はまず、 その手配に尽力をしよう。 ライデン、 私はいったん職務を全うする為、 王室に戻るが、 お前には頼みがある。
ライデン
はい、 なんでしょうか?
スタンリー
私の護衛の職務を離れ、 サラの護衛を 頼みたいのだ。
ライデン
勝手に任務を 離れる事は出来ません。
スタンリー
ライデン。 私にはお前以外にも 護衛はいるが、 サラは違う。 サラは護衛を嫌い、 ここだけの生活を ずっと続けている。
サラ
スタンリー。 私はこの生活で 困ったことは 一度もないわ?
スタンリー
もちろん、 困る事があってはならないさ。 でもなサラ? この開発が進み、 万が一にでも、 お前の存在が 他国の耳に入る事があった場合、 お前に危険が及ぶ可能性も 否めない。 この施設は 対策は万全だが、 絶対という驕りは、 過信から崩れていくものだ。 サラ、 ライデン。 私の想い、 理解してくれまいか?
ライデン
・・・
サラ
・・・ 私は構わないけれど、 全ては スタンリーとライデンの 意思に任せますね?
スタンリー
官員達には 私から話す。 ライデン、 どうか受け入れてくれないか?
ライデン
・・・わかりました。 ですがお願いがあります。 その任務を行うのであれば、 この施設で 寝泊まりも行えるように していただけますか?
スタンリー
ははは! もちろんだとも! 開発の目途が立ち、 公表を行う際、 サラに危害が及ばぬよう 今までも常に 細心の注意を払ってきた。 今回はそこまでに どのくらいの期間を 必要とするかは まだはっきりとは言えぬが、 お前が力を 貸してくれるなら 安心も出来る! 頼りにしているぞ、 ライデン!
ライデン
わかりました。 そしてこのピースは、 スタンリー陛下が 身に付けられることを 推奨いたします。
サラ
それはいい考えだわ! そうすれば私達も イシュタルから、 スタンリーの状態を 確認できるもの!
スタンリー
良かった! では早速、 準備に取り掛かるぞ!
イシュタル
―――世界は時を刻む。 ―――何を得ようと、 何を失おうが。 ―――「過去」「今」「未来」を繋ぐ時は、 ―――一秒を重ね、 万の時間を折り重ねる。 ―――果てしないものであり、 一瞬にして過ぎ去るような。 ―――不確かなものでありながら、 揺らがない事実がそこに生まれる。
【場面転換】
サラ
ライデン、 ここでの生活は 慣れたかしら?
ライデン
ああ。 剣術の鍛錬が この様な形で出来るなど、 想像もしていなかったよ。
サラ
気に入ってもらえたようで 良かったわ? でもねライデン。 私は・・・ 全てがこの様な形になる事を 望んでいる訳ではないの。
ライデン
―――サラ。 体調が良ければ、 少し話をしないか?
サラ
鍛錬の方は もういいの?
ライデン
―――ああ。
サラ
折角なら イシュタルの所に行きましょう? 見せたいものもあるし、 どうかしら?
ライデン
わかった。 では、 そうすることにしよう。 しかしここは 本当に静かだな。
サラ
そうね。 ここでは全てが 人ではなく、 機械が管理を行っているから、 人の声がしないものね。
ライデン
サラは、 その…… 寂しいと思ったことはないか?
サラ
それは、 人との接点が少ない事を 意味してる?
ライデン
・・・そうだな。 この空間はどこか 生とはかけ離れているような、 気になるというか。 もちろん、 生命の誕生と隣り合わせながら ここで過ごしているのは 理解しているが……
サラ
良いのよ、 ライデン。 もっとストレートに 話してくれて大丈夫。 あなたが思う答えになるかは 分からないけど、 折角だし、 いろんな事を話しましょう。 ――――――さあ、 着いたわ。
ライデン
―――ここは?
サラ
入ってのお楽しみ!
イシュタル
「虹彩認証・生体認識作動。 ―――『サラ・ブライト』 識別認証完了。 ロックを解除いたします。」
サラ
暗さに目が慣れるまで、 下のライトを辿って進んで? 行き着くと、 下からチェアーが 出てくるわ。
ライデン
―――なるほど。 そして、 ここに座ればいいのか?
サラ
ええ。 そのまま 腰を掛けて?
イシュタル
「ようこそ おいで下さいました。 本日の プラネットストーリーは 何処になさいますか?」
サラ
アルデメディア銀河系 M117を セレクトするわ?
イシュタル
「承知いたしました。 では、 存分にご堪能下さいませ。」
【イシュタルのプラネットストーリー】
ライデン
なっ…… ―――天井に、 星が?
サラ
ライデン。 この頭上に映されている星は、 私達が見ている星ではなく、 このラルクドが存在する惑星が 無数に存在して、 この様に一つの銀河を 構築しているの。
ライデン
・・・
サラ
この空の先には、 人族はまだ 踏み込む事すら出来ない、 広大な空間が あるのよ?
ライデン
・・・・・・
サラ
この星が誕生した歴史さえ、 今だ完全に 解き明かされてはいません。 私達が出来る事と言えば、 膨大な情報から導き出されていく 仮説。 想像と実証。 架空と実在の繋ぎ合わせ。 線が絡み、 人は想像する事、 知りたいと願う事を、 止めることは出来ません。 ・・・本当はあなた自身も、 自分の本当のルーツを 知りたいと、 願っているんじゃない?
ライデン
・・・俺は 何のために生まれたのかを、 知りたくて 生きているのかも知れない。
サラ
この星が誕生した理由。 それをどれだけ考えても、 答えは導き出せない。 でもこの星に生を受け、 今を生きている私は。 想いを繋ぎ合わせ、 生きる意味を 見出せたこの世界に、 感謝をしています。
ライデン
生まれた意味ではなく、 生きる意味。
サラ
人族は 良き部分も悪き部分も 持ち合わせています。 進む道を間違えれば、 大きな代償を払う事も あるでしょう。 でもそれはきっと、 知性・言語を持つ種族にとっても 同じこと。 一つの視点だけでは 計り知れない、 複雑な世界。 だからこそ 生きる意味を見出すことが重要で、 誕生の意味は結局、 後付けになるのかもしれないわ?
ライデン
・・・生まれてきた意味を、 ずっと探し続けてきた。 何度も、 自分が生まれなければ、 失わなくてよかった命が あったと。 その命を喰らい生きるなら、 生まれた理由が必要だと 思ってきた。
サラ
それが間違いだなんて、 思っていないわ? でも、 失ったものだけを見つめても、 答えは出てこない。 ライデン、 貴方の手のひらを見て? その手の先に、 貴方が繋いできたものが、 ちゃんと答えとして あるはずよ?
ライデン
俺は・・・
サラ
私は・・・ 私はあなたに 出会えてよかったわ。 この身体で生まれてきたことを、 何度も嘆いたこともある。 周りの全てを 拒絶したこともある。 でも今は違うわ? この星に生まれ、 悲しみも、 悔しさも受け入れた先に、 今に続く道が続き、 大切な人達に 出会う事ができた。 「普通」という枠から外れた、 この不自由な身体でも、 私は生まれてきてよかった。 たくさんの機械の子ども達が、 生きる者を助け、 この世界、この星が、 共存していく架け橋になっていく。 マイナスとプラス。 静と動。 表と裏。 そのどちらかを 求めるのではなく、 その両方があるからこそ、 均衡が保たれる。 一人では叶わない。 誰かがいて、 私がいて、 繋がり合っていくから、 叶うものがあるから。
ライデン
途絶えるはずの血だったとしても・・・ 生きる意味を 見つけていいのか‥
サラ
途絶えていないからこそ、 生きる意味を 手に出来るのよ?
ライデン
・・・Successor Ancient Frame… Release Everything Now…
サラ
・・・!? ライデン! 痣が全身に広がって、 蒼い炎が身体を!
ライデン
大丈夫、だ・・・ これは俺しか 焼かない炎だ・・・
サラ
でも、 貴方の肌が!
ライデン
いきなりすまない・・・ でも今じゃなきゃ いけない気がしたんだ・・・
サラ
古の記憶を覚醒させる炎・・・ 耐えうる器を持たない者は、 内側から焼け爛れて死する定めと、 史歴には記されていた・・・
ライデン
俺は魔族という自分を、 芯から受け入れられて 無かったんだ・・・ 人族に育てられ、 人である事に縋り、 炎の覚醒を 受け入れられなかった先に、 起きた力の暴走で、 大切な人達を 焼き尽くした・・・! 俺は・・・ ずっと自分の生を 悔いて生きてきた・・・
サラ
ライデン・・・ ああ、 皮膚が・・・ 水ぶくれて、 剥がれていくわ!
ライデン
大丈夫だ・・・ 俺は変わりたいんだ・・・ サラ・・・ 君のように・・・ 全てを受け入れられる強さを・・・ 本当の自分の在り方を・・・ 手にしたい・・・んだ・・・
サラ
ええ・・・ 貴方なら・・・ その古の力を・・・ 受け止められる。
ライデン
ああ・・・ くっ・・・ そうか・・・ 俺の為に・・・ 焼かれた人達は・・・ 俺を守ろうとして・・・
サラ
蒼き炎の中で、 記憶が全て 繋がっているのね・・・ ライデン。 全てを・・・ 受け入れてあげて!
ライデン
・・・サクセサーは・・・ 種族ではなく・・・ 生きる者の繁栄を願って・・・
サラ
ええ。 史歴の中でも常に 自然と寄り添い、 この星を守る為に 生を為した種族と 記されている・・・
ライデン
全てを守るのではなく・・・ 根源を護る・・・ 焼き払う為ではなく・・・ 命の再生を・・・
サラ
痣が鮮やかな蒼に 輝き始めて・・・ 紋章が浮かび上がって・・・ ライデンの肌が 再生されていく・・・!
ライデン
Ancient Power… Finally Come Down Here…! ・・・ ・・・・・俺は、 この星を結ぶ 命の螺旋を守る為に生きる。 そして・・・ 俺は・・・ 君を守り生きたい。
サラ
・・・ライデン。 全てを受け入れる事が 出来たのね。 古の炎に焼かれるのではなく、 受容され、 未来を標す炎へと。 ―――ああやっぱり、 貴方はとても 優しくて強い。
ライデン
サラ、 俺と共に この先の未来を歩んで―――
イシュタル
―――緊急事態発生。 スタンリー国王陛下より 通信を繋ぎます。
スタンリー
サラ! 国境を越えた 多民族国家の者達が、 ラルクド領土への 進軍を開始した!
サラ
え、 なぜ今この時に⁈
スタンリー
内部情報を 漏らした者がいる! 根も葉もない噂と 撥ね退けたが、 サラの情報が 表に流れたらしく・・・
ライデン
スタンリー様は 大丈夫ですか!
スタンリー
ライデン! そこにいるんだな⁈ それならば 話は早い! サラを守ってくれ!
スタンリー
場所は特定されているのか、 細かな所はまだ分からないが、 その場所は、 サラがいなければ 機能しない! 外部からの侵入を遮断する為に、 シェルターを発動させる。
サラ
でもスタンリー! それでは、 あなたの命が 危険にさらされる! 私が根源なら、 私の命を差し出せば・・・ 争いは避けられるはず!
スタンリー
ダメだ、サラ! お前の存在が実在すると知れれば、 この星全域での争いに 成りかねない! ラルクドでは、 それを全て水面下で行い、 神の領域に触れない範囲を 心掛けてきただろう⁉ だが人は欲深く、 力を欲する生き物だ! サラの人権も尊重も、 簡単に踏みにじってしまう!
サラ
―――でも!
スタンリー
サラ、 お願いだ。 分かってくれ! ライデン、 話は今の通りだ! 我々は出来うる限り 火種を摘み取り、 サラの存在を打ち消す! その為に、 その施設全てを記録から消し去り、 辿り着けないよう、 木々のシェルターで覆い隠す。 そこは深い森の迷路になっている為、 簡単に位置を 特定されることはない! お前なら、 私が何を危惧し、 何を思っているか、 分かってくれると 思っている。
ライデン
―――はい。 サラを守り抜くと 誓います。
スタンリー
あぁ。 頼んだぞ、 ライデン!
イシュタル
点線は繋がれば実線となり、 選択は 導く未来と結び付く。 それが正しきものか、 誤ったものかは、 今が過去にならなければ 分からない。 奇跡と言われる 均衡を再現できる可能性は、 ゼロに等しい。 ―――この星の命は、 何処からやって来て、 何処へ還って逝くのか。 私達の創生の主である貴女でさえ、 導き出せなかった答え。 私達に 見届けて欲しいと願う答えの先は、 正しき道だったのか。 誤った道だったのか―――。
スタンリー
―――イシュタル! すまないが、 私達に力を貸してくれ!
イシュタル
スタンリー様、 了解いたしました。 ピースより 指示をお願い致します。
スタンリー
ラルクド中立国は、 この状況から 戦争にならず――― 乗り切れる可能性、 手立てはあるだろうか?
イシュタル
中立国の メインコンピューターへ アクセス完了。 解析開始いたします・・・ 解析中・・・ 解析中・・・ 武闘派を掲げた諸国の動きは、 より活性化しています。 その流動線に スポットを当てた場合、 ラルクド国土を取り巻く 近隣諸国が その動きに乗じ、 侵略に参戦する流れは 否定できません。 戦争に転じる可能性は、 八〇%を超えると 予測されます。
スタンリー
そうか・・・ その責任は、 全て私にある。 綺麗事を掲げたところで、 守るべきものが 守れなければ意味もない。 イシュタル。 大至急、 この国を守る為の 陣営を設置する。 そして防衛及び、 相手を押し返せる兆しが見えたら、 交渉を持つ機会を狙おうと 考えている。 その為、 守備が薄くなるポイント。 この国の力を持たない者達を、 城内へ全て移動させる為の 迅速なルートなど、 データ化して 各機関へ送ってくれ。
イシュタル
任務を 了解いたしました。
ライデン(M)
このシェルター内は、 非日常のように 穏やかな時が流れている。 サラはその中で、 震えていた。 全ての発端が、 自分であることへの恐怖。
サラ
ライデン・・・ 私は、 どうすれば・・・
ライデン
大丈夫だ。 今はまだ、 サラの存在が明確になった 訳じゃない。 ならばこのまま・・・
サラ
でも、 その為に 無関係な人までが、 戦火の渦に 巻き込まれてしまう!
ライデン
どの種族であろうと、 自分達の世界を守る為に 戦う必要は起きうる事だ。 たとえサラの存在が 表に立っていなくても、 不穏な動きは あったんだ。 自分のせいだと 考える必要はない。
サラ
それでも・・・
ライデン
サラが生み出した物が 他の国に渡れば、 形を変え、 悪用される事になりかねないんだ。 国王陛下が 危惧しているのはそこで、 俺達も 自分達の平和を 勝ち取る必要がある。 サラ。 俺は君を守れと 陛下に言われたが、 俺はこの国も、 陛下も守る任務を 請け負っている。 俺は・・・ 全てを・・・ 守りたい。
サラ
ライデン。 いいのよ。 あなたが思う事を 最優先して? 私はこの国の存続の為に、 イシュタルとアルタイルに繋がり、 少しでも犠牲が 少なく済むように、 最善を尽くすわ! だからあなたは、 自分の信念を貫いて、 ライデン!
ライデン
ありがとう、 サラ。 絶対、 誰もここへ 近づけはしない!
サラ
ライデン、 ちょっと待ってて。 これを 身に付けて?
ライデン
これは、 ピースじゃないか。
サラ
一度完成させれば、 応用も容易いから、 更に機能を足して みておいたわ? まだ完璧とは 言い切れないけれど、 あなたの助けには なるはず。
ライデン
ありがとう、 サラ。
サラ
私が内側から 解除を行う。 そうすれば、 あなたは外へ 出ることが出来る。 ―――イシュタル! ライデンを導き、 この国を守って!
【場面転換】
スタンリー
ライデン!
ライデン
国王陛下、 ご無事で 何よりです!
スタンリー
この国は 素晴らしいな、 ライデン。 戦火の中、 皆が苦しみながらも、 種族の壁を越え、 協力体制が 敷かれている。 力が弱い者達は、 城内へ無事 誘導することが出来た!
ライデン
それは何よりです。 そして、 陛下…… すみません、 サラの……
スタンリー
案ずるな! 全てサラから 聞いている! 私達は この国の平和を 手放すわけには いかない。 長引く程に、 民に疲弊が積み重なる。 状況を見て、 一気に仕掛けるぞ!
ライデン
わかりました。 全力で陛下を、 この国を、 守る事に 尽力いたします!
イシュタル
スタンリー様、 ライデン様。 南南西四キロ付近に 多国籍軍が集結し、 城壁南門への攻撃体勢に 入りました。 現在、 アッカー少尉、 グランデ大佐が指揮を執り、 布陣を敷いておられます。
スタンリー
ライデン。 早急に南門の布陣へ 参戦してくれ。 私はモフガン中尉と共に、 城壁守備隊の 指揮を執る! お互いの状況は このピースで 細やかに共有する!
ライデン
承知いたしました―――!
イシュタル
サラ様。 意識レベル低下。 GN33の投薬を 行ってください。
サラ(M)
……いいのよ、 イシュタル。 もう私に残された時間は、 限りなく 少ないのだから……
イシュタル
ナースコンダクターを起動。 投薬を開始いたします。
サラ(M)
白濁した意識の中で、 私は夢を―――見た。 まだ幼かった頃の自分が、 生きる目的も見出せず、 生きながら 死ばかりを望む私の手を握り、 「誰もが、 幸せと感じながら生きる権利を 持っているんだ」 と微笑んだ、 国王ヒカリ。 生きる希望を この場所で与えてくれた友。 私という存在を 受け入れて欲しいと願ってしまう、 彼との出会い。 走馬灯のように流れる、 大切な場所や、 愛しい者達の姿。 私はまだ、 やるべき事がある―――。
<続く>
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